美容院における集客の現状
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が蔓延し、美容室美容院への利用傾向が変化しております。美容室を経営している方は何となくその変化を読み説きはじめ、対策方法を日々検討、実施しているのではないでしょうか?
ここではどのような変化が起きているかを紹介します。
(参考 https://beauty-career.jp/special_contents/page/184)
美容室の選択に当たって何を重視しているか?
通いやすさが13%から38%に上昇、反対に技術力は31%から11%に変化しています。
ブランドスイッチが起こり、リモート勤務など生活の変化から行動範囲が変化し安全に通える範囲でお店を選択しているように読み取れます。
対策には、正しい状況把握が大切です。最寄り駅の乗降数や、店舗の周辺の通行量の変化を調べてみましょう。
また、既存のお客様へのアプローチをしっかり行い他店への流出を防ぎましょう。
コロナ前後での美容室へ行く頻度の変化
通う頻度についても変化があり、月1回の頻度で通っていた人は25%から6%に減り、2~3か月に1回通う人においても58%から22%に減り、3か月から6か月16%から41%に増加、6か月以上1%から31%に変化しています。
通う頻度については人に会う機会が減り下降傾向になっていると考えられますが、短期間でケアするメリット、ホームケアの提案を推進し、物販での売り上げ確保を行うことが売り上げキープ、売り上げアップには効果的です。定期便の提案も行いましょう。
コロナ前後での美容室へ行く費用の変化
一方で費用の変化は変化なしが7割、頻度が落ち、単価が変わらなければ売り上げは落ちます。正しい状況を把握し、対策を考えましょう。
コロナが完全に終息しても生活の変化が起きていますので、状況は変わりません。お店の安全対策はどのようにできているかをアピールしておくことが大切です。マスク対応や手指消毒が当たり前になったとしても提示し知らせることが大事です。
スタッフの安全管理はどのように行っているか
- 出勤時の検温
- 複数回の検温
- マスク着用
- 手指消毒の頻度グローブ着用
- 定期的な使用品の消毒
お客様への対応
- 来店時の検温
- 来店時の手指消毒
- マスクを着用したままで施術
- 席や間隔を開ける
- 時間帯の調整
- 会話の調整
- 仕切りの使用
- 次亜塩素酸水の散布による空気消毒
- 換気
- コロナ対策の取り組みを記載したポスターの掲示
また、お客様の生活の変化、心境の変化をキャッチし、それに合わせた接客やメニューを構築しましょう。
集客を始める前に
自分の店の特徴・得意分野を見つけよう
既存のお客様の情報から自店の特徴、得意分野を洗い出しましょう。お客様の年代、職業、よく利用されるメニューなどをリスト化し利益に貢献しているメニューは何なのか、お客様が通ってくださる理由は何なのか洗い出しましょう。
あなたが得意なのは?
- ロングヘア
- ショートヘア
- カラー
- パーマ
- メンズ
- レディース
- 縮毛矯正
- 接客
- 店販
お客様が選択しているのは?
- ロングヘア
- ショートヘア
- カラー
- パーマ
- メンズ
- レディース
- 縮毛矯正
- 接客
- 店販
ターゲットを層を決定しよう
顧客リストから狙うべきターゲットを決定します。
- 来店頻度
- (1か月、2か月、3か月以上)
- 店販購入金額
- (5000円以下、5001円以上、無し)
- 性別
- (男、女、その他)
- 年齢層
- (10代、20代、30代、40代、50代、60代以上)
- カラー
- (なし、有り 白髪染め、それ以外)
- くせ毛
- (有り、無し)
- 縮毛強制
- (有り、無し)
- 長さ
- (ロング、ミディアム、ショート)
- パーマ
- (あり、無し、ストレート)
- 買い物
- (スーパー、百貨店)
- ブランド趣向
- (流行、定番)
- 居住地
- (一戸建て、マンション、持ち家)
など、ありとあらゆる項目を可視化し、自分が付き合いたいお客様はどのような傾向があるか厳選しましょう。
競合となる他店舗について分析しよう
近隣の競合になりえる店舗を分析しましょう。美容院、理容院はもちろんのことエステ、まつエクサロン、ネイルサロンなど、美容に費用と時間をかける店舗をまとめて分析すると視野を広げやすいです。なぜ、自店ではなく競合店でお金を使っているのかを徹底的に分析します。
- 前項目のお客様のターゲット層を分析し、お客様層を知る。
- メニューを分析し人気のメニューは何なのかを知る。
- どのようなスタッフが働いているかを知る。
- 店舗の内装デザインや外観、取り扱いの薬剤、カラーなどを知る。
- 営業時間、お客様の多い時間を知る。
- 新規獲得の手法を知る。
わかる範囲で徹底的に調査分析しましょう。直感ではなく確実な内容のみで分析してください。競合店のInstagramなどのSNSやGoogle Mapなどの情報も参考になります。
新規顧客獲得のポイント
店舗の認知度を向上させる
認知度を向上し、親近感を持たせ、来店ハードルを下げることも大事です。これにはSNS配信での露出、ポータルサイト、地域コミュニティへの露出、Google Map上での露出ブログやホームページ、WEB広告リスティングやFacebook広告なども該当します。
オフラインでは立て看板や、定期的なチラシがこれに該当します。直接的に来店につながるものもあれば露出することで安心感を積み重ねて来店につなげる方法もあります。予算と地域性、お客様層などターゲットを分析した結果を生かし作戦を立てましょう。
ブログからSNSへの切り替わり
いまや、美容室の集客ではInstagramがオーソドックスになりました、店舗のアカウントや美容師個人のアカウントでの配信が盛んにおこなわれていることでしょう。
お店を知る方法としてブログやFacebookでの投稿からInstagramなどのSNSに切り替わっていますが自店のお客様はどのようなものを見ているのか把握できていますでしょうか?また、競合店舗のお客様はどこで情報を得ているのでしょうか?
Googleマイビジネスへの登録
無料でできる集客の基本です。必ず登録を行い、店舗情報を掲載しましょう。自分のお店に来ているお客様層はGoogle Mapを使わないので関係ないと考えていませんか?
インターネットユーザーの83.1%がGoogle Mapを利用しています。また、その利用目的はもちろん一番はナビとしての利用ですが47.6%は店の情報を得るために利用されています(https://geo-news.jp/archives/2856)
既存顧客(リピーター)獲得のポイント
再来店につながる雰囲気づくり
お客様リストを分析した結果、どのようなお客様があなたのお店に通っているか可視化できていることでしょう。お客様の期待から外れない店舗づくりを心がけてみましょう。再来店いただけた理由を既存のお客様に聞くとよいでしょう。
待ち時間やアンケート、インタビューの協力をお願いしたり、施術中の会話から再来店のきっかけを聞きましょう。
新規集客にこだわりすぎない
リピーターのお客様をないがしろにしていませんか?新規のお客様だけにキャンペーンやクーポン配布を行ってばかりだと既存のお客様が育ちません既存のお客様へのアプローチも忘れずに行いましょう。 再来店割引やクーポン、特別コースなど常連のお客様はとことん贔屓する姿勢でいましょう。釣った魚に餌を上げ忘れて、お客様が逃げ出したなんてこと無いようにケアしていくことが重要です。
次回予約をカット中に案内する
お客様がカットに満足をいただいていることが分かれば次回の予約は初回来店時に取りましょう。その場で予約をとるメリット(割引やプレゼントなど)を用意しアプローチしましょう。
誘惑や情報の多い世の中です。いかに早くアプローチするかが重要になります。本当に満足度が高ければ予約は取れやすいものです。予約が成立すればリマンド配信などケアを忘れないようにしてください。
オフラインの主な集客法
チラシ
ベーシックな手法として皆様も配布したり、配布されたことがあるのではないでしょうか?チラシは特定の地域に配布しターゲットもある程度絞れることから美容室、美容院にかかわらず店舗型のビジネスの定番となっています。現在は新型コロナの影響で手渡しをすることが嫌悪感につながる可能性がありますので慎重に行いましょう。
チラシは直接渡す、ポスティングする、新聞チラシに入れる、DMで送るなど配信方法は複数ありますのでケースバイケースで選択して利用しましょう。
立て看板
こちらもよく見ると思います。店頭に置く事もあれば近くの交差点など人通りの多いところに出しているお店もあるのではないでしょうか?
効果計測を行い最適な看板づくりを行いましょう。最適化の項目としては 内容もさることながら看板の大きさ、色、文字の大きさなど効率を上げていける箇所はたくさんあります。設置に満足せずに有能な営業スタッフとなるように育てましょう。
良くない例としてはお店の場所がわからない看板を見かけます。看板とお店の共通点をつくったり、お店への道順案内はわかりやすく行いましょう。
フリーペーパー
フリーペーパーは広告主の広告料を財源として発行される印刷物です。タブロイド紙、新聞拡販誌、フリーマガジンなどが代表的な紙面です。その媒体の特徴を見て出稿を検討しましょう。
フリーペーパーは媒体によって地域や趣向が選択できるため自店に合ったターゲットに効率的にアプローチができます。しかし、はじめに書いているように広告主の広告料を財源としているため広告掲載が多く競合店の広告に埋もれてしまうこともあります。
既存顧客による紹介制度
リファラルマーケティングとよばれ、既存のお客様にお友達を紹介していただき顧客を獲得する方法になります。メリットは多く
- コストコントロールが容易
- コストを抑えた顧客獲得が可能
- 広告が届きにくい層にアプローチできる
- 紹介者、紹介されたお客さまのリピート率が高い
一人を紹介した人は複数紹介する可能性が高いため紹介者になる既存のお客様にお礼、謝礼を必ず行いましょう。
オンラインの主な集客法
公式Webサイトの作成
WEBサイトを無理に用意する必要はありません。WEBサイトの役割はお店の情報や、WEB予約の仕組みを公開するために用意するものですが、これはWEBサイトでしかできない事ではありません。
ブログやお店の情報はGoogleマイビジネスやインスタグラムやそのほかSNSで公開が可能であり、その情報を調べることが一般化しております。ご自身にあった方法でお店の情報を公開しましょう。
Googleマイビジネスに付属しているホームページ機能は一度公開するだけでGoogleマイビジネスに連動し自動更新されます。
SNSの活用
特に若い世代のお客様の獲得にはSNSキャンペーンは有効です。美容室のアカウントにタグ付けしてもらいSNSへクチコミ投稿をお願いしましょう。
インスタグラムを使って美容室を探している方も多くいます。お店での投稿が苦手な場合でもお客様に投稿をおまかせすることでSNSからの集客を試みてください。
お客様の投稿がお客様のフォロワーに褒められることでお客様のヘアスタイルが肯定されお店の評価につながります。お客様の投稿は思わぬ拡散と、再来店のきっかけになります。
フリーペーパー
ホットペッパービューティや、Googleローカル検索広告はよく使われる広告ですが、このほかフリーペーパーオンライン版の広告や商店街のWEBページ、市区町村のホームページなどオンラインの広告媒体は多種多様になっています。無料掲載していただけるニッチな媒体などもありますので自店のお客様に合った広告を探し出稿しましょう。
WEB広告出稿の際は掲載期間を確認し、ターゲットがどのように狙えるか確認し掲載を進めましょう。掲載の際は店舗の紹介ページ、予約の申し込みフォームなどをあらかじめ整備しておきましょう。
まとめ
このページでは様々な集客方法を紹介してました。すぐに実行できるものからすでに実行しているもの、準備も費用も必要なものもあることと思います。
大切なのは自身が集めたいお客様像は明確にできているか、生涯顧客価値を計算できているか、それをもとに新規顧客獲得にかける単価目標を明確にできているか、効率が合わない場合や、効率が悪化した際の改善策があるかです。集客するからには準備を万端にし失敗も覚悟し、日々効率を改善できるように取り組みましょう。